About
Column
Service
Contact
Case
Event
News
コラム
2026.06.09
45歳は、折り返し地点。──「何を残せるか」へ問いを変えるとき

2026年5月、日本の人事部主催「HRカンファレンス2026-春-」で、COMMUNITY代表の呉と、ウィル・シードの石川さんが「ミドルシニアと若手がともに挑戦する組織へ」と題して語り合いました。本記事は、その対話の中から、これを読んでいる“あなた自身”に届けたい部分を再構成したものです。

ベテランだから、もう大丈夫——という見え方

組織の中で長く働いていると、いつのまにかこんな言葉が周りに漂いはじめます。

「もうベテランだから大丈夫だろう」 「今さら新しい機会を用意しなくてもいいだろう」

悪気のある言葉ではありません。むしろ気づかいのつもりだったりします。けれどこの“見え方”は、本人に渡されるはずだった期待や機会を、静かに狭めていきます。

年齢という一つの情報だけで、人の見え方が無意識に変わってしまう。これを エイジズム(年齢に基づく思い込み)と呼びます。誰かを責める話ではありません。問題は、それが 自分の外側だけでなく、自分の内側にも入り込んでくる ことです。

いちばん手ごわいのは、自分の中のエイジズム

若いころから「年を重ねると挑戦しにくくなる」「ある年齢を過ぎると伸びしろは減る」という見方に触れ続けていると、いざ自分がその年齢になったとき、同じ目で自分を見てしまいます。

「もう自分は、こういう役割だ」 「今さら新しいことを始める歳でもない」 「これ以上、手を広げても仕方ない」

この役割観が自分の中に生まれると、新しい学びや関わりへの意欲は、自分自身の手で少しずつ下がっていきます。能力が消えたわけではありません。変わったのは 能力の“使いどころ” だけ。なのに、使いどころを探すのをやめてしまう——ここがいちばんもったいないところです。

「頑張ってきた自分は、何を得られるか」という問いの落とし穴

長く貢献してきた人ほど、こんな問いを抱きやすくなります。

これまで頑張ってきた自分は、これから何を得られるのか。

自然な気持ちです。けれど、この問いのまま組織にいると、不思議なことに、積み上げた経験や知恵が周りに渡りにくくなります。若手から「ああはなりたくないな」と思われ、上司も次の期待を伝えづらくなり、世代をまたいだ学び合いが止まっていく。

問いの向きを、少しだけ変えてみるとどうでしょう。

自分は今まで以上に、何を残せるだろう。

問いが「得る」から「残す」に変わると、振る舞いが変わります。経験が後進に渡り、若手から「ああなりたい」と見られ、上司も次の役割を託しやすくなる。同じ人、同じ経験のはずなのに、組織の中での意味がまるで変わるのです。

人生100年、45歳はまだ折り返し

70歳まで働くと考えれば、22歳で働き始めた人にとって、45歳はキャリアの終盤ではなく、ようやく 折り返し地点 です。

それなのに「これから何を残すか」ではなく「これまで頑張った自分は何を受け取れるか」に問いが閉じてしまうとしたら——それは本人の意識だけの問題ではなく、周りの見え方と、自分の中のエイジズムが、静かに重なり合った結果かもしれません。

“会社の外”の場が、もう一度の出発点になる

ではどうすれば、問いの向きを変えられるのか。

ヒントは、会社の役割や評価から少し離れた場 にあります。利害関係の薄い場で、別の会社・別の世代・別の経験を持つ人と話すと、「役職としての自分」ではなく「一人の個人としての自分」で話しやすくなります。

長く働いていると、何が自分本来の強みで、何が肩書きによって機能していたものなのか、その境目が見えにくくなります。だからこそ、外の場で

  • 自分は何を大切にしてきたのか
  • 自分は何を提供したいのか
  • これから何を残したいのか

に向き合う時間が効いてきます。これは気分転換ではありません。これまで積み上げた力を、否定せずに、今の環境で使い直すための時間——いわば アンラーン(学びほぐし)の場です。

そして面白いのは、世代が混じり合う場そのものが、職場への適応の予行演習になることです。価値観の違う相手と同じテーマで対話することは、職場で上司・若手・他部署・顧客と向き合う練習そのもの。「若手だから」「ミドルシニアだから」というラベルが外れ、一人の個人として相手が見えてくる。それは、自分にかかったエイジズムをほどくことにもつながります。

必要なのは、配慮ではなく「期待」と「機会」

サードエイジ世代に本当に必要なのは、気づかいや配慮だけではありません。もう一度、期待されること。そして、その期待に応える機会を渡されること です。

あなたは過去の人ではありません。これからの組織に、経験と知恵を残せる人です。 その一歩は、「自分はもうこういう役割だ」という思い込みを、そっと外してみることから始まります。


「サードエイジへの歩き方」を、一緒に考えませんか

問いの向きを変える最初の一歩は、会社の役割から少し離れた場に身を置いてみること。 COMMUNITYは、まさにその「外の場」を、同じ世代の仲間とともに歩むプログラムをご用意しています。

これからの数十年を、どんな問いとともに歩いていくか。 「サードエイジへの歩き方」を考えたい方は、ぜひこちらをご覧ください。

👉 COMMUNITYの「サードエイジ」研修プログラム

さて──あなたはどうでしょうか?

この記事を読んで「自分はどうかな?」と思った方へ。
数分でできる、自己チェックを用意しました。正解も点数もありません。今の自分の問いの向きを、少しだけ眺めてみる時間です。

👉 セルフチェック・アンケートページへ